今回のお題

1988年4月,東急今井浜リゾートの宣伝を兼ねて東急車輛で完成したばかりのResort21第3編成を使用しての記念列車が運転された.
このカットはその試運転の様子を撮影したものである.
試運転当日はあいにくの雪模様となったが,列車通過時には雪もやみ,温暖な伊豆ではあまり見られないような雪景色の中を静かに列車が走り抜けていったのを妙に鮮明に記憶している.
出題者 たけぞう
大井町線
緑が丘ー自由が丘間
緑が丘1号踏切付近にて
1988年4月

撮影場所:緑が丘1号踏切付近より大井町線下り線を撮影 2005年7月24日撮影

 掟の「お題を出してから1ヶ月以内の撮影」とされているが,今回のお題は,1回のみの撮影である事がたけぞう氏の意図から明らかであった.なぜなら写真を受け取ったのが2005年7月中旬であるからだ.
 お題の写真が東急史の中でもっとも”奇抜”であったイベント列車で,伊豆急から借入されたリゾート21が東急線内を走るものであった.とすると,現在,伊豆急絡みと言えば「伊豆のなつ号」に他ならないのだ.が,私に残されたチャンスは7月24日のみであり,まさしくラストランであるからだ.この日は最終日であり沿線及び各駅にカメラマンが大挙してレンズを向けており,各ポイントを回るだけでも苦労する事になる.よって定点撮影場所は三脚を立てじっくり構えて待つのは不可能であり,撮影ポイントの確保も不確実なものであったが,幸いにも御同輩の方は3名ほどしか居らず,最後にはお互いの健闘をたたえる爽やかな気分で撮影が行われたのは奇跡であった.
 撮影までの経緯は上記の通りであるが,本来「伊豆のなつ号」の運転は東横線内である.さて,今回の定点は簡単に判明した.大井町線の緑が丘1号踏切りである.ここで,伊豆のなつ号8007Fを迎えるには,田園都市線から回送してくる,上りと運転を終え回送で逆の下りを通る2回であるが,お題が下りである事から,イベント終了後の大井町線を下る「回送」を狙う事とした.

 直前に目黒線内を回送してきた事を確認して,定点に向かいカメラを構えるが,季節も違い当時と電柱の位置が違う事で,若干ずれているだろうが,ここがベストポイントであったと推定される.そして回送の8007Fは我々撮影者を確認されてか,若干のスピードを落とした運転をしていただいたお蔭で,撮影時に十分な間を頂く事だ出来た.感謝
そしてゆっくりと通り過ぎてゆく8007Fが私にとっての最後のラストランであった.

【今回のお題】
回答者 こーちゃん

 さて,撮影された「伊豆のなつ号」の8007Fであるが,現在はインドネシアに送られ第2の人生を送っていることは皆さんご存知であろう.そして,リゾート21第1編成は東急8000系の導入により,廃止されたこともご存知であろう.異なった2つの形式ではあるが,この場所を通過した因果か,あるいは,これらの車両に携わった方たちの思いか何かはわからないが.そういった意味ではこの2枚の写真は時代の流れと活躍していた頃の雄姿を思い出させるには十分な写真であると思えるのである.そして定点大作戦はまだまだ続くのである.

定点大作戦