

今回のお題
新玉川線が開業した年の田園都市線
つきみ野発大井町行き8602F5両編成
当時、8500系は増備が進み田園都市線にあって普通の風景になりつつあった。それでも多様な車種が在籍していた同線なのだが、他形式の撮影を実施していない事が悔やまれる。
さて、後に大井町線を分離、田園都市線と新玉川線との直通運転が始まった。10両編成に長大化した8500系が主流になり、同駅が10両編成対応ホームとして拡張された。よって撮影位置がホーム端ではなくなっている。
出題者 こーちゃん
市が尾
1977年9月
撮影場所:田園都市線市が尾駅上りホームより終点方を望む 2006年12月撮影
こーちゃん氏から渡されたお題の写真.そこに写っているのは列車無線のアンテナもまだ装備されていない,白Hゴムの8602F大井町行き.写りこんでいる橋梁や背景から,撮影場所は比較的簡単に判明した.市が尾駅の上りホームからの撮影である.撮影場所は比較的簡単に割り出すことができたのだが,残念ながらお題の写真を受け取った時点で8602Fは運用を外れており同一車両での撮影は不可能であった.となるとコダワリを示すためには,「大井町行き」を狙うか「スカートなしの8500系」を狙うか,というところなのであるが,これがなかなか上手くいかないのであった.
というのも,市が尾駅のホームは当時に比べて終点方へ向けて大きく延長されており,お題の撮影ポイントは現在のホームの中央付近となっていて,ほかのお客様が写りこまないタイミングがまずなかなか得られない.加えてスカートなしの8500系の運用は比較的限定されており,朝晩のラッシュ時間帯の走行が主となってしまっていて,その撮影は至難の業だったのである.そんなわけで,せめて8500系での写真を回答として提出するのが精一杯の体たらくとなってしまい,この勝負はコダワリ度不足から,どうやら負けが確定のようである.
そんな市が尾駅の過日の写真を見ると,何やら非常渡り線が設備されていたようで,分岐器と転てつてこが写っている.鶴見川橋梁の風規制を考慮したものなのであろうか.なお,この非常渡り線は後に撤去されたが,近年になって運転障害時の折り返し運転のためにあざみ野駅に新たに非常渡り線が新設されたのは記憶に新しいところである.
また写真の背景には,市が尾変電所のガイシや,横浜市立谷本小学校の校舎が当時と変わらず残っている一方で,1998年に供用開始された東名高速横浜青葉ICの構造物が大きく写っており,時代の変化を感じさせる.さらにこの先,首都高速横浜環状北西線が接続されると,また風景が一変する可能性もあり,今後も定点撮影を継続する価値のある風景であろうと思う.
(たけぞう)
